原作を先に読みました。少年少女向けのファンタジックなお話かと思っていましたが予想を裏切って期待以上といいますか…解釈を読み手に委ねながらさわやかな読後感が残りました。 映画化に当たっては色々改編されているということなので楽しみです。

　ストーリーが奥深いだけでなく、美しい音楽と絵にも癒されます。さらに、その音楽と絵と声優さんの演技から成る「映画の雰囲気」も素晴らしいです。 　ただし、この映画の本当の良さが分かるのは2回目以降の観賞からなので、注意が必要です（1回目の観賞では、マーニーの正体に迫ることだけに集中してしまいます）。2回目以降の観賞では、映画に登場する「マーニー」の解釈を変えることで、何度も違った感動を得られます。特に杏奈とマーニーの別れのシーンは、2回目の観賞以降、どう解釈しても感動できます。 　BDやDVDで事前に視聴できるようになった今こそ、もう一度、この映画をスクリーンで公開するべきだと思います。 （参考）マーニーの解釈の例：①記憶を持った幽霊説　②記憶があいまいな幽霊説　③杏奈の空想説　④タイムスリップで出会った実在の友人説

この映画は児童文学という枠を越えて、どの年齢層にとっても忘れかけていた大切なことを教えてくれる映画だと思う。あの感動をもう一度スクリーンで観たい！

愛は時空を越える。