子供の頃、ドキドキしながら見ていたアニメ・妖怪人間ベム。この作品が実写化されると聞いたとき、絶対に無理だと思いました。しかも、主役がジャニーズのアイドルと聞いて、あまりにイメージが違い過ぎ、最初は見る気がしませんでした。ドラマ版も、1話だけ見て、つまらなかったら見るのをやめようとダメ元で見始めました。 …ところが。スタッフや監督さんの、原作へのリスペクトの加減が素晴らしく、アニメファンとしては外せない要素はきちんと押さえながらも、更に掘り下げられた内容に度肝を抜かれました。そして、なぜ主役が若い人だったのか、榎本明が演じる役どころと相まって、決して人気取りだけが目的の配役ではないことがわかりました。当初、私はアイドルにはかなり疎く、亀梨和也さんを知らなかったのですが、瞬きをしない・声のトーンを下げるなど、無口でも目で何かを語るような妖怪としての役作りと演技に感服しました。 映画だけでも十分この作品を楽しめますが、見たことのない方はぜひレンタルなどでもドラマをみてから映画を見ていただけたら、この作品の質の良さと奥深さを、更に感じていただけるのではないかと思います。 辛い境遇に立ち向かい、自分の存在とはなにか・人間とは何かを問い続けながら真摯に生きる、あの3人の妖怪達にもう一度大画面で会いたいです。 DVDが発売され、家で見ることができるようになりましたが、見れば見るほど、大画面で会いたくなります。