「ヴェッカーシグナ」の悪役と正義の味方。ところがこの世界ではその役割が全く逆だと言う。そこから導き出される、パラレルワールドの本質に迫る展開が実に面白いですね。 そして、それぞれのパートナーの女性との絆が実に美しい。 最終決戦に挑む2人、しかし彼らは必ず愛する女性のもとに帰って来る・・・そう確信させる演出が、悲壮感を超えてはるかに胸を打ちます。 結局どの世界も愛でできていて愛に満たされている・・・この感動はやはり、劇場のスクリーンでこそ存分に味わえるのではないでしょうか。

畑澤和也監督の「ヴェッカーシリーズ」のスピンオフ作品。 タイムパラドックスに加え、パラレルワールドにも真正面から取り組んだ本格派。 「ヴェッカーシグナ」のキャラをそのまま引き継ぎ、森久保祥太郎・入野自由・寺島拓篤といった豪華声優陣の、声だけでない生の演技が見られる他、黒部進・高峰圭二といった豪華なゲスト陣の演技も嬉しい。 しかし、本当の魅力は、畑澤ワールドならではの、泣かせ、考えさせ、深く心に沁み込む人間ドラマという点にある。 当初発売のDVDではカットされたエピローグ（その後収録）まで、間然とする所なく楽しめる作品です。 ぜひ劇場でもう一度！