伝記や史実にある通りの内容ではありません。芸術的創作作品でした。 ただ、彼が見た田舎の家のライラックや金のクーポラ、土や緑の森の匂い がとてもよく表現されていました。 主人公は不機嫌な面持ちをしています。これも実際に目にした方々が感じた 印象を的確に演じられています。 彼は、子供の頃はにこやかで快活な少年でしたが、家族とな離れ、モスクワ のズベーレフの元でピアニストとしての修業を始めると、 「いつも、何か別のことに来劣られているような表情」をもつ人物になりました。 ロシアの土と水と森と、最愛の人々、刺激的な大人たちに囲まれて育った彼。 ピアニスト修業の早くから作曲への情熱を押さえられずスベーレフと衝突した彼。 妻ナターシャ、娘たちとの愛。 スタイン・ウェイ社とのなれそめ。そして２０世紀ナンバーワンピアニストの 地位を得たと、気づいた時に、今まで失ってきたものに気づいていく彼。 それはまず、妻ナターシャへの愛、続いて、家族の愛に気づきます。 エンディングで登場する「ライラック」は、故国ロシアへの郷愁・望郷の念 ととも故郷ロシアを愛する気持ちが感動的に表現されています。 その時、流れるメロディは？ 当然、・・・・（ファンならわかるでしょう）