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1293位
68 pt
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2009年春に『藍宇』に出逢って、『藍宇』に病んで、今年で5年になります。 「たった86分の映画が人生を根刮ぎ変えるなんてことがほんとうに自分に起きるのだな」 という不思議を身を以てあじわう日々でした。それは現在も更新/亢進をつづけています。 陳捍東と藍宇の10年を刻む關錦鵬監督の筆致は素っ気無いほど淡々としていて、人によっては「わかりづらい」と評されることもあるようですが、その素っ気無さはじつはとめどない「情熱の嵐」の裏返しにほかならないことが、観ていくうちにわかります。一筋縄ではいかない謎と仕掛けが随所に施され、なお通俗でありメロウである、不思議な映画です。人間と人間が向き合うとはどういうことか、ただそれだけをシンプルに、情と誠意を以て描く美しい映画です。 捍東を演じた胡軍と藍宇を演じた劉燁は、關錦鵬監督の厳しい演出の下、真の恋人同士として在ることをもとめられ、心身共に「捍東と藍宇」に没入することで見事にそれに応えています。お互いにしんそこ想い合えばこそ可能な、でもたしかに演技で、でも「いまのって本当に演技なの?」と何度もリプレイしたくなるような。近松門左衛門先生曰くところの「虚実皮膜」が正しくここにはあります。それぞれ結婚し、父となり、中堅俳優として活躍するいまでも、忘れ難い「運命の恋人たち」としてその一挙一動が熱く密やかに語られる。そういうところも含めて『藍宇』という映画の愉しさであろうかと思います。 ……とかえらそうに長々と書いている自分がこれまで一度も『藍宇』を映画館で観れていないという、侘びしく冷たい2014年のこの現実。ああ、なんだかものすごくみじめで悲しいきもちになってきましたよ……。こんな私でもいつかきっと『藍宇』を映画館で観れますように。
2014年01月08日 22:56
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2009年春に『藍宇』に出逢って、『藍宇』に病んで、今年で5年になります。 「たった86分の映画が人生を根刮ぎ変えるなんてことがほんとうに自分に起きるのだな」 という不思議を身を以てあじわう日々でした。それは現在も更新/亢進をつづけています。 陳捍東と藍宇の10年を刻む關錦鵬監督の筆致は素っ気無いほど淡々としていて、人によっては「わかりづらい」と評されることもあるようですが、その素っ気無さはじつはとめどない「情熱の嵐」の裏返しにほかならないことが、観ていくうちにわかります。一筋縄ではいかない謎と仕掛けが随所に施され、なお通俗でありメロウである、不思議な映画です。人間と人間が向き合うとはどういうことか、ただそれだけをシンプルに、情と誠意を以て描く美しい映画です。 捍東を演じた胡軍と藍宇を演じた劉燁は、關錦鵬監督の厳しい演出の下、真の恋人同士として在ることをもとめられ、心身共に「捍東と藍宇」に没入することで見事にそれに応えています。お互いにしんそこ想い合えばこそ可能な、でもたしかに演技で、でも「いまのって本当に演技なの?」と何度もリプレイしたくなるような。近松門左衛門先生曰くところの「虚実皮膜」が正しくここにはあります。それぞれ結婚し、父となり、中堅俳優として活躍するいまでも、忘れ難い「運命の恋人たち」としてその一挙一動が熱く密やかに語られる。そういうところも含めて『藍宇』という映画の愉しさであろうかと思います。 ……とかえらそうに長々と書いている自分がこれまで一度も『藍宇』を映画館で観れていないという、侘びしく冷たい2014年のこの現実。ああ、なんだかものすごくみじめで悲しいきもちになってきましたよ……。こんな私でもいつかきっと『藍宇』を映画館で観れますように。
2014年01月08日 22:56