中学生の時に全く興味が無いのに友人に強引に誘われて映画館まで観に行きました。ほとんど予備知識の無かった私はイデオンというのは赤い消防車の様な車が合体して人型巨大ロボットに変形してアフロ頭の主人公が出てきて宇宙人と戦う低年齢子供向のアニメだろう位の感覚でした。ガンダムは好きだったので富野さんの作品ならイデオンも少しは楽しめるのかな程度の軽い気持ちだったのを覚えています。接触篇と発動篇のダブルリリースで長丁場だったのでつまらなかったらどうしてくれるんだなんて思っていましたが見事に裏切られました。接触篇終盤から発動篇最後まで戦闘、戦闘、戦闘。主要なキャラクターが次々あっけなく死んでいく。気が付けば自分がアフロ頭のコスモに感情移入しており何故だ！何故殺す！何故そっとしておけないんだ！というセリフが頭の中でぐるぐる回りすっかり息苦しくなっていました。全く子供向けではありませんでした。接触篇終盤から発動篇のほとんどが新作カットで作画も今観てもすごくきれいで見事です。効果音や音楽もとても良いです。何かこの作品からは執念のような物が感じられます。観ていない人は私のように騙されたと思って一度観ておくべきだと思います。