この映画がヒットした理由は「とてもわかりやすい」からだと思います。チェーホフの桜の園を演じたい演劇部員。しかし一人の部員が起こした不祥事。それをネタにして生徒を押し黙らせようとする嫌な男性教師。そしてそれら逆境に反発しながらなんとか上演にこぎつけた部員たちの結束。全てが２時間のうちに起こり収束する見事さ。こんな単純明快で勧善懲悪なら受けること間違いなしですね。主要キャストにもそれぞれほんの少しドラマがあって感情移入しやすいし生徒はみんな可愛いし、男性受けしたのもわかります。男性受けしたのが女性にも広がっていってヒット作になったのだそうです。ただこの1990年版を褒めるにあたり必ず出てくる話で2008年版を引き合いに出して貶すことで「俺は映画をわかってる人間だぜ」なんて言い放つ奴は何もわかってないバカエセ映画ファンだとは思います。監督は2008年版も愛しています。